お世話になった人へお歳暮を贈る際は、相手に快く受け取ってもらえるよう、マナーをきちんと守りましょう。今回は、月間700万人が閲覧するプレゼント専門サイト ギフトモールに在籍する贈り物のプロが、押さえておくべきお歳暮のマナーをまとめました。のしの書き方や相場など、贈る前に知っておきたい情報が満載なので、お歳暮の準備を始める前にぜひチェックしてください。
お歳暮とは、お世話になっている人へ1年間の感謝の気持ちを込めて年末に渡すギフトのことで、読み方は「おせいぼ」です。
季節の贈り物としてお中元もありますが、お中元は夏に贈るのに対し、お歳暮は冬に贈ります。マナーとして、お中元を贈ったらその冬にお歳暮も用意します。
お歳暮を誰に渡すかのルールはありませんが、基本的に、日頃お世話になっていて今後もより良い関係を築きたい目上の人に贈ります。
例えば会社の上司や取引先、習い事の先生などに渡す人が多いです。また最近では、遠方に住んでいてあまり交流できていない親や親戚へ、お歳暮を贈る人もいます。
お歳暮には、届ける時期やのしの書き方など注意点がいくつかあります。
目上の人へ贈る際にはきちんとルールを守ることが大切なので、相手に快く受け取ってもらえるよう、ひとつずつマナーを確認しましょう。
お歳暮は、いつからいつまでに贈るかある程度時期が決まっています。
関西では12月10日〜20日頃、関東では12月初旬~20日頃の期間に渡すのが良いとされていますが、最近では11月下旬に贈る人も多いです。
年が明ける前までに届けばマナー違反にはなりませんが、年末は忙しい人も多いため、早めに手配することをおすすめします。
お歳暮を贈る期間に間に合わない場合は、年始の贈り物として渡しましょう。
年明けから松の内(関東は1月7日まで、関西は1月15日まで)の期間なら「御年賀」、その期間を過ぎたら「寒中御見舞」として贈ります。
その際、お歳暮を贈れなかった旨を相手に事前にお詫びしておくのがマナーです。
お歳暮には紅白蝶結びの水引が付いた熨斗紙をかけ、表書きとして「お歳暮」、水引の下にフルネームを記載します。
連名の書き方は、目上の人を水引の真下に記し、その左横に順に名前を書きます。
4名以上の場合は中央に代表者名、その左横に「他一同」と書いて、全員の名前を記した別紙を添えるとスマートです。
商品が小さいなどでのし紙を付けにくい場合は、短冊のしを右上に貼りましょう。
お歳暮の包み方にも、包装する前にのし紙を付ける「内のし」と、包装の上から付ける「外のし」があります。
郵送する場合はのしが汚れない内のし、手渡しするときはすぐに相手にお歳暮の贈り物とわかってもらえる外のしを選ぶことが多いです。どちらの付け方を選んでもマナー違反にはなりません。
お歳暮は基本的に、事前に相手に都合の良い日時を確認したうえで手渡しするのがマナーです。
渡し方としては、品物を紙袋や風呂敷から取り出し、相手から見て表書きが正面になるよう向きを変え両手で差し出します。
その際、1年間の感謝の気持ちや、贈り物を選んだ理由などを含めた挨拶の言葉も伝えてください。
郵送する場合でもマナーを守って、1年間お世話になった感謝の気持ちをきちんと伝えることが大切です。
郵送する前に送り状を送るか、それができない場合は品物が届く前に電話で、お歳暮を贈ったことと年末のご挨拶をするようにしましょう。
お歳暮の相場は3000円~5000円ほどと言われています。関係性によって金額が異なり、友人や取引先には3000円程度、上司やお得意先には5000円ほどの品物を贈ることが多いです。
1万円程度の品物を渡す人もいますが、翌年に金額を下げるのはマナー違反なうえ、相手の負担になる可能性もあるので注意が必要です。
感謝を伝えるためのお歳暮ですが、送ってはいけない人がいます。
例えば公務員は「国家公務員倫理法」があることから、利害関係がなくてもお歳暮を控えるのが無難です。
また、贈り物のやり取りを禁止している一般企業もあります。お歳暮を用意する際は、相手の迷惑にならないよう、贈っても良いか事前に確認することもマナーのひとつです。
靴などの履物や刃物はそれぞれ「踏みつける」「切る」ことを連想させるので、お世話になった人へ贈るお歳暮としてはタブーです。
またハンカチは「手巾(てぎれ)」とも言い、縁を切るという意味にも捉えられるためNGとされています。
そのほかに「く」「し」と縁起が悪い音を繋げた「くし」も贈らないのがマナーです。
お世話になったことへの感謝を表すお歳暮は、贈り手・受け取り手どちらが喪中の場合でも、贈って問題はありません。
かといって、普段通りに贈ると相手に失礼と思われることもあるため、しっかりマナーを確認したうえで準備しましょう。
感謝を伝えるお歳暮はお祝い事には当たらないので、相手が喪中のときに贈っても失礼にはなりません。
ただし、亡くなって49日経つまでの忌中のときは、心身ともに疲弊している時期のため、贈り物を渡さないのがマナーです。
自分が喪中の場合は、近親者が亡くなった年であっても贈って問題ありません。
喪中の際にお歳暮を贈る場合は、控えめな印象ののし紙や包装紙を選びましょう。
紅白の水引が描かれたのし紙は避け、白無地ののしか短冊に「御歳暮」という表書きと名前を記載したものを品物に付けるのがマナーです。
結婚すると親戚が増えるため、お歳暮をどの相手に贈るのがマナーなのか気になる人も多いです。
ここからは結婚後にお歳暮を贈る相手についてまとめているので、パートナーと相談する際の参考にしてください。
新婚で結婚後初めてのお歳暮は、結婚を見守ってくれた結婚相手の親と実家に贈る人が多いです。
ただし、それぞれの家庭でお歳暮の考え方が異なるので、結婚相手とよく相談したうえで贈るか贈らないか判断しましょう。
結婚に仲人さんが携わっていた場合は、仲人さんにお歳暮を渡すこともあります。
結婚すると、親同士でお歳暮を贈らないといけないというルールはありません。
家庭によっても風習は異なり、片方の意見を聞いたり、両親同士で話し合ってもらうと角が立つことも考えられます。
そのため、贈るか贈らないかは結婚後に夫婦間で決め、その方針を両家の親に伝えておくことをおすすめします。
法人向けにお歳暮を贈る場合には、来年度も企業間で良好な関係を続けられるよう、しっかりとマナーを守る必要があります。
ルールを確認したうえで、1年間の感謝の気持ちを伝えられる品物を贈りましょう。
企業宛のお歳暮は、12月1日~12月20日頃に渡すのが一般的なマナーです。
しかし地域によって時期に差があり、たとえば沖縄なら12月1日から12月25日頃が適切な期間とされています。
取引先の所在地を確認し、いつ贈るべきか判断することをおすすめします。
会社へお歳暮を贈る際は、会社名と代表者名を記載しましょう。支店や部署宛に贈りたい場合は、社名・支店名・支店長名を宛名として書きます。
法人間でやり取りするものなので、いつもお世話になっている担当者個人に贈るのはマナー違反です。
お歳暮をいただいたら、感謝の気持ちを相手に伝えるのがマナーです。
郵送で届いた場合、お礼の連絡をすることで無事に品物を受け取ったことも知らせられます。すぐにお礼をして、その後お返しをどうするか判断しましょう。
お歳暮を受け取ったら、まず相手にお礼を伝えてください。お返事としてお礼状を書いて送るのが基本的なマナーですが、親しい相手からの場合は電話でも問題ありません。
目上の人には礼儀を持って、ハガキではなく封書でお礼状を出すことをおすすめします。
基本的に、贈られたお歳暮に対してお返しをしなくても、マナー違反ではありません。
こちらもお世話になっているときや、目上の人からもらったときは、お返しすることもあります。お返しする場合は、相手に合わせて同程度か半返し程度の金額の品物を贈ってください。
お歳暮は一度始めたら継続して贈るのがマナーですが、付き合いがなくなったなどの理由でお歳暮をやめることもあります。
断り方としては、お礼状や挨拶状に来年からは辞退する旨を書く方法と、メールや電話で知らせる方法が一般的です。どちらのやめ方でも相手に敬意を持って伝えるよう心がけましょう。
感謝を伝えるため、一回だけ品物を贈りたいときは、たとえ年末の贈り物であっても、「御礼」として渡すのがマナーです。
お歳暮は最低3年続けるものなので、お歳暮として贈ると、相手に気を使わせてしまう可能性があります。とくに、来年から付き合いがなくなる相手にお歳暮を贈るのは避けましょう。
お歳暮として品物を2つ送る場合は、主となる品物ののし紙に表書きと名前を書き、もう片方には同じ水引の無地のしをつけます。
お歳暮の商品を取り扱っているショップによっては、2個抱き合わせで送ってくれることもあります。
一年の締めくくりとしてお世話になった人へ贈るお歳暮には、様々なルールがあります。
大切なのは相手の迷惑にならず、快く受け取ってもらうことです。基本的なマナーを守って、相手に喜ばれるお歳暮を用意しましょう。