お歳暮とは、いつもお世話になっている人に対して、年末に感謝の贈り物をすることです。今回は、月間700万人が贈り物選びで利用するプレゼント専門サイト ギフトモールに所属する贈り物のプロが、お歳暮についてわかりやすく解説します。お歳暮で失敗しないために必要なマナーや、おすすめのギフトの種類など、役立つ情報が満載です。ご紹介する情報を頭に入れ、相手に失礼のないようにお歳暮を贈りましょう。
お歳暮の読み方は「おせいぼ」で、意味は1年間お世話になった相手へ年末に冬ギフトを贈ることです。
お歳暮の起源は古く、昔からの日本の風習「御霊祭」のお供え物が由来と言われています。
もともとは親族へ贈るものでしたが、歴史の流れで商売と結びつき、お世話になっている取引先や上司にも贈るようになりました。
なぜお歳暮を贈るのかというと、1年の締めくくりとして、お世話になっている相手に1年分の感謝を伝えるためです。
年末のギフトなので、何のために贈るのかの目的としては、翌年の変わらぬお付き合いをお願いすることも含まれています。
お中元とお歳暮の違いのひとつに、贈る季節があります。お中元は夏に贈るもので、お歳暮は年末の冬の時期に贈ります。
また、お歳暮はその年1年お世話になったことに対しての感謝のギフトで、お中元は新年から夏までの感謝を伝えるものです。
お歳暮はお中元の期間も含めた1年分の感謝の贈り物のため、お中元よりも重視されます。どちらか一方にしたい場合は、お歳暮を贈ってください。
お歳暮を誰に贈るのか決まりはありませんが、親戚や祖父母、両親、結婚相手の親などの身内に渡すのが一般的です。
また、会社の上司や取引先、仲人をしていただいた相手、習い事の先生にも贈られています。
お世話になっている目上の相手に贈るだけでなく、離れたところで暮らしていてなかなか会えない友達に贈ることもあります。
公務員や政治家は、法律でお歳暮を送ってはいけない人とされています。利害関係者でなければ問題ないですが、その判断は難しいため、公務員や政治家には贈らないようにしましょう。
一般の人でも、企業によっては会社のルールとして、社内の人間同士や取引先間での贈り物のやり取りを禁止されている場合があります。
お歳暮は感謝を伝えるギフトで、お祝いの贈り物ではないため、相手が喪中でも贈れます。
ただし、お世話になっていた人が亡くなった場合、故人宛に贈るのはご家族を悲しい気持ちにさせるのでNGです。
ご家族とも親しく付き合っていて、今後もお歳暮のやり取りを続けようと考えているときは、ご家族宛にして贈ります。
お歳暮は、お正月の準備を始める日とされている「正月事始め」の12月13日から、12月20日までの期間に贈るのが良いとされています。
地域によってはいつからいつまでに贈るのか時期が異なるので注意してください。関東は12月初旬~12月20日頃、関西は12月10日前後~20日頃に贈るのが一般的です。
お歳暮の時期を過ぎても、年内に届くならそのまま贈って問題ありません。
年明けにお歳暮が届く場合、お正月飾りを飾る松の内の間は、御年賀として贈ります。松の内も過ぎたら、立春までは寒中見舞い、立春も過ぎたときは御礼として贈ってください。
遅れたお詫びは、電話や手紙などで伝えましょう。
お歳暮を贈るときには、相手が受け取りやすいように事前に連絡するなど、いくつものマナーがあります。失礼がないよう、お歳暮のルールをおさえておきましょう。
お歳暮には、紅白5本または7本の蝶結びの水引が付いた熨斗(のし)紙を掛けるのがマナーです。ただし、お歳暮の中身が生もののときは、のしなしで水引のみのかけ紙を使います。
表書きの書き方は「お歳暮」や「御歳暮」とし、水引の下に贈り主の名前を表記します。
お歳暮を郵送する場合や控えめな印象にしたいときは内のしに、手渡しで気持ちを強く表したいときは外のしにするのが一般的です。
喪中の場合のお歳暮には、のしや水引なしの白無地のかけ紙に、表書きと名前を書いたものを使います。このやり方は、自分と相手のどちらが喪中であっても変わりません。
お歳暮の渡し方は手渡しが基本ですが、難しい場合は郵送でもマナー違反にはなりません。
手渡し・郵送どちらの場合も、いつ贈ると都合が良いのか相手にあらかじめ確認してください。
郵送のときは、何を贈るのかも伝えておくと相手が不在のときに届いたり、冷蔵庫のスペースを確保できなかったりする事態を避けられます。
ハンカチや刃物といった縁切りを連想させるものや、くし(苦死)と読めて縁起が悪い櫛をお歳暮として贈るのはNGです。
また、相手に対する敬意が疑われる、先のとがったものや踏みつけて使うもの、下着もお歳暮には不向きです。
目上の人に贈る場合は、商品券や仕事で使うアイテムも避けましょう。
お歳暮の予算は、自分の年齢や相手との関係性によって変わりますが、3,000円~5,000円が相場と言われています。
20代や30代の若い世代では、2,000円~3,000円の商品を選ぶ人も多いです。また、特別に大きな感謝を伝えたい場合は、5,000〜10,000円のものが購入されることもあります。
生鮮食品や賞味期限の短いお菓子など、日持ちしない食べ物は、お歳暮としてもらって困るものによく挙げられます。
あちこちからお歳暮をいただいて食べきれないほどになってしまったり、年末年始の休みに旅行に行って食べられなかったりする場合があります。
好きではない食べ物・飲み物や、健康上の問題で食べられないものは、お歳暮としてもらっても嬉しくない品物です。
雑貨や日用品のような食べ物以外の商品も、趣味に合わないと使い道に困ってしまいます。
寝具のような大きなものは、置き場所がなくてもらっても困る場合があるので、お歳暮に不向きです。
日持ちのするお酒や油、消耗品のバス用品などでも、家族の人数に対して量が多すぎると、なかなか減らずいつまでも場所を取ってしまいます。
ハムやソーセージのような日持ちのする加工肉は、お歳暮としてもらって嬉しいものによく挙げられる定番の食べ物です。いつも食べているものよりも高級な商品を選ぶと、特別感も楽しんでもらえます。
なかなか食べられない贅沢なお肉や海産物は、年末年始に家族や親戚が集まるご家庭に贈ると喜ばれます。
美味しくて日持ちのするお菓子や、常温で長期保存できる飲み物、高級な果物は、お歳暮として人気があります。
とくに、スイーツは小分けされているものや詰め合わせセットが、フルーツはリンゴのような日持ちのするものがおすすめです。
見た目もおしゃれな和菓子や高級な豆が使われたコーヒーなど、特別感のあるものを贈っても、もらって嬉しいと思ってもらえます。
食べ物以外のものをお歳暮として贈りたいなら、洗剤やタオルなどの実用的な日用品がおすすめです。
センスのいいデザインのものや、有名ブランドの上質な商品といった、ワンランク上のアイテムがとくに人気です。
会社で使ってもらえる品物も多いため、企業に贈るお歳暮としても喜ばれます。
欲しいものを自分で選べるカタログギフトは、お歳暮としてもらって嬉しいとよく言われる人気商品です。
商品を選ぶ時間も楽しめるため、ショッピングが好きな人にも喜ばれます。相手の趣味がわからないなど、お歳暮として贈る品物が何がいいか思いつかないときにもおすすめです。
お歳暮をもらったら、お返しは必ずしも必要ではありませんが、礼儀作法としてお礼状は必要です。電話でまずお礼を伝え、数日中にお礼状を送ってください。
お歳暮を贈り忘れていたなど、お返しをしたい場合は、お礼状とは別に贈り物をします。
いただいた商品の半額から同額におさまる品物を、贈る時期に合わせてお歳暮やお年賀として贈ります。
自分または相手が喪中の場合は、49日を終え忌明けすればお歳暮を贈っても問題ありません。
忌明けを待って届くのが年明け後になってしまうときは、寒中見舞いを贈ります。喪中の場合、お祝い事の時期の松の内に贈り物はできないので、松の内を過ぎてから贈りましょう。
お歳暮としてカタログギフトを贈ることはマナー違反ではなく、相手に失礼な事柄でもありません。
お歳暮が集中する時期を避けて欲しい時期に品物を受け取れるうえ、欲しいものを選べるので、もらって嬉しいと思ってもらえます。
お歳暮とは、年末にその年お世話になった相手に感謝の贈り物をすることです。
目上の相手に贈ることが一般的な贈り物のため、マナーに気を配る必要があります。
感謝の気持ちがしっかり伝わるお歳暮のやり取りができるように、お歳暮の意味やマナーをしっかり頭に入れておきましょう。