お中元の熨斗(のし)マナーを徹底解説!表書きの名前の書き方や名前なしでもいいの?などの疑問を解決!

お中元の熨斗(のし)マナーを徹底解説!表書きの名前の書き方や名前なしでもいいの?などの疑問を解決!

今回は、月間700万人が訪れるプレゼント専門サイト ギフトモールのギフトのプロが、お中元用ののし紙の選び方や貼り方、表書きや名前の書き方などを解説!相手や自分が喪中の場合のマナーや遅れたときの正しい対処法といった、熨斗にまつわる役立つ情報をご紹介します。

熨斗(のし)とは?

のしとは、もともとアワビを薄く伸ばして干した「のしあわび」を簡略化させたものを意味します。
以前は実際にのしあわびが用いられていましたが、現在では熨斗の絵が印刷されたのし紙やご祝儀袋を使うのが一般的です。

お中元などの贈答品やお祝いごとの際のギフトに貼ることで、「改まった気持ちで贈ります」という気持ちを表すことができます。

熨斗(のし)の由来

熨斗の起源であるアワビは、高級食材かつ長寿の象徴でもあったため、古くから贈答品として人気でした。

「喜びが続く」「長生きできる」といった意味を込め、アワビを乾燥させて伸ばしたものを贈り物に添えたことから、のしの文化が広がります。
「熨斗」という名前も、「伸しアワビ」が起源となって生まれた言葉です。

熨斗紙と掛け紙の違い

熨斗紙と掛け紙は、どちらも贈り物に掛けて使われる紙のひとつです。なかでも熨斗紙は縁起物ののしが印刷されており、お中元など一般的な贈答品やお祝いごとの際に渡す品物に用いられます。

一方、掛け紙には長く続く幸せを表すのしの絵がなく、水引のみがプリントされています。そのため、お供えや香典返しといった弔辞のシーンで使われることが多いです。

お中元に熨斗は必要?

日本の伝統的な贈り物であるお中元には、熨斗を添えるのが正式なマナーです。のし紙を付けることで、何のギフトかひと目でわかってもらえるうえ、改まったお礼の気持ちが伝わります。

品物だけでなく商品券をプレゼントする場合も、基本的にのしが必要です。中袋に入れてから包装し、さらにのし紙を掛けると丁寧な印象を与えられます。

のしなしでも良いケースとは?

アワビが由来ののしは、生ものを表すため、意味が被る生鮮品には不要です。生のお肉や魚介類のほか、ハムや鰹節などを贈る場合も熨斗なしが適しています。

また、お中元の代わりにお盆のお供えとしてギフトを届ける際も、のしをつけないのがマナーです。さらに相手や自分が喪中のときは、慶事向きののし紙ではなく白無地の紙を使ってください。

お中元の熨斗(のし)の選び方は?

熨斗の種類を選ぶ

一般的な熨斗紙

のしの種類のなかでも一般的な熨斗紙は、品物の大部分の広い範囲を覆い、丁寧な印象を与えます。
そのため、上司など目上の人やマナーを重視する年配の相手へ、改まった気持ちでお中元のギフトを贈りたいときにおすすめです。

短冊熨斗

縦長の短冊熨斗は、のし紙が簡略化されたもののイメージがあり、親しい親戚や友人、部下などへのお中元に添えられることが多いです。
一般的なのし紙と同じ意味を持ち、失礼には当たらないので、エコのために簡易包装でギフトを贈りたい人からも短冊タイプのものが選ばれています。

水引の種類を選ぶ

お中元を贈るときは、お祝いごとと同じ色である紅白の、5本もしくは7本の水引が印刷されたのし紙を使いましょう。
「来年も贈れますように」という願いを込めて、解けても結び直せる蝶結びを選ぶことも大切です。

結婚祝いやお悔やみに使われる結び切りの水引は、繰り返さないでほしいシーンに向いているので、お中元では避けてください。

デザインで選ぶ

気心の知れた友人や親しい親戚には、華やかな雰囲気のおしゃれでかわいいのし紙を掛けてお中元を贈っても喜ばれます。
一方で、上司や取引先の企業、恩師などへ丁寧な印象のギフトを渡したい場合は、白がベースのシンプルな熨斗紙をセレクトしてください。

お中元の熨斗(のし)の書き方は?

書くときの注意点

お中元の品物に掛ける熨斗を手書きする場合、毛筆が正式ですが、筆ペンを使ってもマナー違反になりません。書き方は楷書体で、文字を崩したり省略したりせずに一文字ずつ記入します。

誰からのどんな贈り物なのかひと目でわかってもらえるように、読みやすさを意識して書きましょう。文字がかすれたり、のしや水引のプリントにかかったりしないように注意することも大切です。

表書き

のし紙の水引の上段中央に書き入れる表書きは、「御中元」もしくは「お中元」が一般的です。読みやすいように、大きく丁寧に縦書きで記入してください。

日々お世話になっている相手へちょっとした気持ちとして贈りたいなら、「心ばかり」と書くのもおすすめです。また感謝の気持ちを表すために、「お礼」としてギフトを渡すこともあります。

お中元の時期が過ぎたらのしはどうする?

お中元の時期が過ぎたら、のしの表書きを変えてギフトを届けてください。立秋までなら「暑中見舞い」、8月末までであれば「残暑見舞い」として贈り物を渡せます。

目上の人へ贈る場合は、「暑中御伺い」や「残暑御伺い」という言葉を使うのがマナーです。水引の種類は、繰り返しあると喜ばしいことを意味する紅白の蝶結びが適しています。

名前

個人で贈る場合

個人からお中元を渡す場合、水引を挟んで表書きの真下、のし紙の下段中央に送り主のフルネームを書き入れます。表書きよりもやや小さめの文字で、はっきりと名入れするのがマナーです。

家族や目下の人に贈るなら、苗字だけを記入してもマナー違反ではありません。
ただし、相手が兄弟など同じ姓の人からギフトを受け取る可能性がある場合は、誰からの品物かわかるように姓名を記してください。

連名で贈る場合

3人までの連名でお中元を渡すときは、目上の人から順に左に向かって送り主の名前を並べます。
立場が同じときは右から五十音順、夫婦など男女で贈るときは男性が右、女性が左になるように名入れしてください。

4名以上の連名なら、代表者の氏名を書き、その左横に小さめの文字で「他一同」や「有志一同」と記して、全員の名前がわかる紙を入れましょう。

会社宛に贈る場合

取引先の法人などにお中元を贈る際は、送り主の会社名や肩書きを記入するのが一般的です。中央下部に名前を書いたら、右上に小さめの字で企業名や役職を記してください。

会社名のみや支店名、部署名だけを入れるなら、表書きの真下の中央にわかりやすく書きます。略式で名刺を貼るときは、下段の真ん中か左寄りに付けましょう。

相手の名前を入れる場合

のし紙に相手の名前を入れたいときは、上段の左上に表書きよりも小さめの文字で「〇〇様」と書きます。
連名でお中元を贈る場合、相手の名前に近い左側が最も立場の高い人になるように、名入れの順番を入れ替えることも大切です。

のしに名前なしは失礼?

熨斗紙に必ず送り主の氏名を入れる必要はなく、基本的に名入れは自由です。
お中元を届ける際に送り状を添えれば失礼に当たらないうえ、のし紙に名前なしでも先方に誰からのギフトかわかってもらえます。

しかし、多くの人からの贈り物を受け取る相手へ渡す場合は、ひと目でわかるようになるべく名前を記入するのが望ましいと言えます。

お中元の熨斗は外のしと内のしどちらが良い?

内のし

品物に熨斗を掛けてからラッピングする内のしは、開封するまで表書きや送り主の名前が見えません。控え目な印象を与えるので、日々の感謝を込めてさりげなくギフトを渡したい人におすすめです。

また包装紙で熨斗が包まれており、汚れたり破れたりしないため、郵送でお中元の贈り物を届けたいときにも向いています。

外のし

ラッピングした後にのし紙を付ける外のしは、ひと目で表書きがわかるため、強い気持ちを表したいときにおすすめです。
送り主の名前をすぐに把握できる点で、たくさんギフトを受け取る相手へ贈る場合にも適しています。

またお中元を手渡しするシーンでは、熨斗の汚れや破れが起こりにくいので、外のしが選ばれることが多いです。

お中元の熨斗(のし)の貼り方は?

熨斗を貼るときは、水引の位置を品物の中央と合わせるのがマナーです。シワがあると失礼に当たるうえ見栄えも悪いため、ピンと張ってからシールやテープで留めてください。

のし紙の両側がギフトの裏で重なる場合は、付け方にさらに注意が必要です。お中元を贈る際は、裏側から見たときに右端が上になる「慶事掛け」で貼りましょう。

短冊のしの貼り方は?

お中元を贈る際に短冊のしを使う場合、貼り方のポイントは右上に付けることです。斜めになったりシワが寄ったりしないように注意しながら、のりなどで丁寧に付けましょう。
商品に対して熨斗が小さすぎると寂しい印象になるので、縦幅が品物の2/3程度のものを使ってください。

お中元はいつまでに贈る?

お中元は、上半期の感謝と暑い時期に相手の健康を祈る気持ちを込めて渡すギフトで、新暦や旧暦のお盆に合わせて夏に贈られます。

のしの表書きを「お中元」にして品物を贈る期間は、東日本では7月1日~7月15日、西日本では8月1日~8月15日が一般的です。

いつまでに届けるべきか地域によって異なりますが、近年は全国的に7月中旬までに到着するように送る人も増えています。

喪中の場合のお中元はどうする?

自分が喪中の場合

お中元は日頃の感謝を表す目的で贈るギフトで、お祝いを意味する贈り物ではありません。
そのため、のしに関するマナーを押さえておけば、自分が喪中のときもいつもと同じようにお中元を渡すことができます。

ただし、古くからの考えの影響で死を穢れととらえる人もいます。親族が亡くなって間もない場合は、四十九日が済んで忌が明けてからお中元を届けるのがおすすめです。

相手が喪中の場合

相手の身内が亡くなったときも、自分が喪中のケースと同じように、のしに気を付ければお中元のギフトを贈って問題ありません。
四十九日が過ぎていないなら、相手に配慮して忌明け後に「暑中見舞い」や「残暑見舞い」として届けましょう。

「初盆」や「新盆」と呼ばれる亡くなって初めてのお盆と期間が被る場合は、お供えとして故人が好きだったものや花を添えることもあります。

喪中の場合のお中元の熨斗(のし)のマナーは?

喪中の場合、慶事に使われる熨斗や紅白の水引を付けてお中元のギフトを渡すのは避けましょう。
のし紙ではなく、白無地の奉書紙もしくは白のシンプルな短冊に「お中元」や「御中元」と表書きを入れて品物に貼り付けます。

忌明けを待って暑中見舞いや残暑見舞いとしてギフトを贈る場合も、のしではなく白い紙を使ってください。

お中元のお返しの熨斗(のし)は?

お中元には基本的にお返しは必要ありませんが、どうしても贈りたい場合はのしを添えてください。期間内に渡す場合、のし紙の表書きは「御中元」や「お中元」が一般的です。

部下など目下の相手に返礼を贈る際には「お礼」や「御礼」の言葉も使われます。また今後付き合いがなく、一度きりの贈り物になる場合も「お礼」として届けるのがマナーです。

マナーに合ったのしを付けてお中元のギフトを贈ろう!

お中元の品物には、のしを付けて改まった感謝の気持ちを伝えましょう。正しい方法で表書きや名前を書いたり、シーンにあった熨斗紙を選んだりすれば、より丁寧な印象も与えられます。
ぜひ熨斗を添えたお中元を渡して、日頃お世話になっている人とさらに関係性を深めてください。