日本海で漁獲された上質な雄鮭を厳選し、新潟県村上市にて 7 日間荒塩で塩漬けをし身を引き締めた後、湧水に浸してほど良く塩抜き をし、日本海より吹きつける寒風にさらして干し上げたものです。村上の気候風土ならではの芸術的製品です。


◆鮭のまち『越後村上』
村上といえば鮭と茶と堆朱といわれるくらい三面川の鮭は有名です。

三面川の鮭の歴史は古く、醐醍天皇の延長5年（927年）に編まれた延喜式や永万元年（1165年）に発布された『瀬波川鮭漁院宣』にその源を求めることができます。その後江戸時代になると歴代の藩主が三面川の漁業権をもち、漁場を公売し運上金を納めさせて藩の財源としておりました。三面川の鮭がこれほど盛んになったのは文化5年（1808年）村上藩士青砥武平次が鮭の養殖と治水をはかるために「種川の制度」を設けたためといわれています。廃藩後は士族経営の村上鮭川育養所が漁業権を引き継ぎ、明治11年（1878年）人工孵化を行い今日にいたっております。

村上では立身出世した人を「鮭の子」とよぶのも育養所が利益の一部を子弟教育に投入したからだといわれています。ただ獲るだけでなく、幼魚を放流し増殖につとめたことや、短い漁期で獲った鮭を生活の糧にする知恵がいろいろな調理法を生み、伝統の味を今に伝えております。